328: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/10/01(木) 20:38:43.28 ID:mKWppRREO
#
「あれはお前じゃないだろうな」
朝食の席で、エリックがシェイド君に言う。彼の頬には手形がハッキリと残っていた。
「何の話にゃ?」
「とぼけるな。小娘の……プルミエールの着替えを覗こうとしてただろう?猫に化けて」
「ん?してないにゃそんなの。だって……」
デボラさんがハムを乗せたパンを齧り、盛大な溜め息をついた。
「こいつ、私の着替えを覗いてやがったんだよ。すぐに気付いて平手打ちかましてやったさ」
ギロッとデボラさんがシェイド君を睨んだ。彼は身をモジモジさせている。
「怖いにゃお姉さん……でもそれがいいにゃ」
「先生、どんな教育してんだい?覗き魔だけじゃなく被虐趣味まであるのかい」
「返す言葉もないな。女癖以外は優秀なんだが」
エリックがデボラさんを見た。
「デボラ、シェイドが来た時間は?」
「確か、6時過ぎだねえ」
ちょうど猫が通った時間だ。
「ボクを疑うなら筋違いにゃ。それに、エリックがいるのに手は出せないにゃ。こいつ怖いにゃ、容赦ないにゃ」
「……それもそうか。じゃあ、あれはただの猫……ん」
「そういえば」
エリザベートとランパードさんが、まだ起きてない。「そのうち起きるだろ」とジャックさんは言ってたけど。
761Res/689.43 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20