魔王と魔法使いと失われた記憶
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275: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/09/18(金) 21:11:43.25 ID:TbDVBCa4O
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月明かりの中、事切れたファリス・エストラーダの手を小娘が握り続けていた。

「……もう、いいだろう」

「え」

「俺たちは去らなきゃいけない。そして、この死体をどうにかする必要がある」

「……どうにか、って」

俺は一息ついた。これが残酷な宣告だというのは理解している。しかし、言わねばならない。


「死体を……塵にする」


「ダメエッッッ!!!」

小娘が叫ぶ。俺は腰を屈め、小娘と目線を合わせた。

「ならこいつを放っておくのか?処分する時間はないぞ?
ここはワイルダ組の縄張りだが、だからと言って好き勝手できるわけでもない。死体を別の所に運ぶ際、一般人に見られでもしたら?」

「け、警察に言えば……」

「そうしたら俺たちの存在が公になるぞ?お前が狙われていないならいい。だが現実は違う。
私は的ですと弓兵100人の前に身を晒すようなものだ。それでいいのか?」

「でもっっ!!……塵にするなんて……そんなことしたら、ファリスさんの生きていた証は……」



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