269: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/09/18(金) 21:06:27.28 ID:TbDVBCa4O
緑髪の小柄な女が飛び付いてきた。俺はそれをひらりと交わす。
ドスン、と壁にぶち当たると「いてて……」と女が額をさすった。
「酷いじゃないですかぁ、20数年ぶりの再会ですよ?」
「お前のような女は知らんな」
「ひっどーい!絶対覚えてるよね?ねえ?」
「知らんものは知らん」
女はむくれるとランパードの方を見た。
「ビクター!何か言ってやってくださいよぉ!!」
「……姫、さすがにそれはねえよ。20数年ぶりに、それもガキの時以来会ってない知人にいきなり抱き付かれそうになったら、俺でも逃げるぜ」
「ビクターまで!?もう、こうなったらプルミエールのとこ行くもん……」
「やめとけ」
俺は険しい顔で女……エリザベート・マルガリータに言う。
「とても、そんなおちゃらけたノリに付き合う気分じゃないはずだ」
「……昨日のが理由ね」
「ランパードから聞いたか。クドラクを倒すための作戦を遂行していた」
「そりゃ知ってるよ、だって私も参戦したもの」
「「……何!?」」
俺とランパードの声が重なった。
「ちょっと待てトンチキ姫よぉ?そんなの一切聞かされてねえぞ?俺は今日あんたがこっちに来るって話しか……」
「あー、いや、嫌な予感したんだよねぇ。だから前日にこっそりこっちに来て、貴方の様子見てたわけ。
そしたらヤバそうなことになってるみたいだから、私のできる範囲でこっそりと、ね?」
……話が読めない。何かの魔法を使ったのは間違いないが……
「……こっそりって、何をしたんだよ」
「『憑依(ポゼッション)』を使った足止め。あのワンちゃんにはかわいそうなことをしたけど。
でも、あの怪物を倒せたのは、私のおかげでもあるわけですよ」
エリザベートがない胸を張る。
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