213: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/09/10(木) 20:41:22.61 ID:Q6atrxSlO
まずいっ!!
「ウィテカーッッ!!!」
あたしは叫ぶと同時に駆け出した。懐にある「魔導銃」を握り、力を込める。
マナ量に比例した「魔弾」を放つ代物だ。あたしなら、一撃必殺の威力になる。
そして、フードを被ってベンチに座っていたウィテカーが、姿を見せた。その姿は……プルミエールに瓜二つ。
あたしたちが足止めのために用意した、もう一つの手段だ。
「…………!!?」
クドラクの移動速度が鈍った。一瞬でもいい、銃を撃つだけの時間を稼ぐっ!!
彼女に変装したウィテカーも、クドラクに向けて走り出す。彼が懐剣を抜いた。
「姉さんっ!!!」
「……コシャクナッッ」
ザシュッッ!!!
……短剣が、ウィテカーを貫いた。
「……姉、さん、今、だ」
崩れ落ちようとするウィテカーに向けて叫びたくなる気持ちを、何とか抑えた。
これは、彼が作った隙だ。それを逃す手は、ない。
あたしは引き金に手を掛ける。
「うおおおおおっっっっ!!!」
ドォォォンッッ!!!
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