212: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/09/10(木) 20:40:36.98 ID:Q6atrxSlO
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そして、クドラクは再び現れた。仇かどうかは分からない。しかし、心の暗い炎が再び燃えるには、十分だ。
ラファエルの目が鋭くなる。駆けてくるプルミエールの姿が、ハッキリと見えた。
「来たぞっ」
彼女の背後に目を凝らす。辺りは少し暗くなったが、空間の違和感は視認できた。
プルミエールとの距離は……2、30メド。その差は急激に詰まっている。
猶予はない。あたしは立ち上がった。
「野郎どもっっ!!撃てっっ!!!」
一般人に変装していた組員が5人、一斉にハンドボウを構えた。プルミエールが噴水前を通り過ぎると同時に、姿を隠しているクドラクに矢が放たれる!!
パサパサパサッ
「え」
矢が……通らない?外れたんじゃなくて?何かに当たった矢は、枯れた小枝のように地面に落ちる。
「冗談、だろ?」
鎧を中に着込んでるとでも?いや、それじゃあの俊敏な動きは理解できない。あの耐久力……「遺物」の力かっ!?
クドラクは矢に構わずプルミエールを追う。その差はもう5メドまで詰まっていた。
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