魔王と魔法使いと失われた記憶
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183: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/09/03(木) 19:28:11.97 ID:2/zsC842O
「大丈夫ですかっっ!!?」

「ゲフゲフッッ!!!このぐらい、ゲフッ、平気、ですわ……」

「先生を呼んできますっっ!」

私は階段を駆け降りた。ランパードさんとエストラーダ候を連れて戻ってくると、ファリスさんはハァハァと荒い息を吐いている。

「ファリスッ!!」

「もう、落ち着きましたわ……お父様、心配なさらないで」

「しかし明日施術だぞ?本当に問題ないのか」

ランパードさんがチラリと私を見た。私は頷く。

「……極力早く、お嬢様の体力があるうちに施術をする必要があります。明日、やりましょう」

「そうか……分かった。貴公に委ねよう」

「明日は早めに伺います。本日はお暇致しましょう。……プル、行くぞ」

部屋を去ろうとする私たちを、ファリスさんが呼び止めた。

「お待ちになって」

「何でしょう?」

「プルさんと仰いましたね。……施術が終わりましたら、是非お友達になってはくれません?」

「え」

「同じぐらいの歳の人で、こんなに長く話したのは初めてでしたの。よくって?」

「……はいっ」

私は彼女に微笑む。その瞬間、あることに気付いて、血の気が一気に引いた。



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