魔王と魔法使いと失われた記憶
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152: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/08/27(木) 12:38:46.48 ID:IcevcAFHO
ランパードさんが息をつく。

「なるほど。……ここで結果を話しますか?」

「ファリス、お前は」

「……構いませんわ」

一拍、ランパードさんが間を置いた。

「率直に申し上げます。非常に難しい施術を要するかと思います。頭の中、脳内と肺に悪しき塊があるようです。私をもってしても、取り除けるかは……5分」

エストラーダ候が息を飲むのが、私にも分かった。ファリスさんはというと……相変わらず微笑んでいる。

「……5分、か」

「どのような施術ですの」

「一度、痛みを消し深い眠りについていただきます。その上で、私が施術を。
助手もユングヴィから追加で調達しましょう。治癒魔法をかけながらの長丁場になりますゆえ」

「ファリス、お前……」

「御父様。やらねば私は死ぬのでしょう?ならば、やるしかないではないですか」

……凄い子だな。こんなに肚が据わった言葉は、私には吐けない。絶対に慌てふためいてしまうだろう。

「……そうですか。ならば施術の詳しい説明を致しましょう。閣下、場所を変えます」

チラリとランパードさんが私を見た。「空振りか」という落胆の色が見える。


その時、視界の端に何か光るものが見えた。化粧台の上にあるものは……




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