樋口円香「──誠意を見せていただきましょうか」
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14:名無しNIPPER[sage]
2020/08/02(日) 22:40:19.73 ID:YkNVrYJ6o
コトン、コトン。
卓上にカップが二つ置かれた。円香がコーヒーを淹れてきてくれたようだ、ホットを買ってきてくれたのだろう、黒色のそれからは白い蒸気がユラユラと上っている。
「コーヒー、ブラックでしたよね」
「あ、ああ、わざわざ買ってきてくれたのか。ありがとう」
「別に。自分の分を買ってくるついでですから。そのくらいなので、お礼は必要ありません」
「いや、こういうのはやっぱり礼儀だからさ……」
「つまり社会人としての規則を守っただけ、と──……ああ、さすがですね。ミスター・コンプライアンス」
「そういうわけではなくて──ああ、くそ。すまない、どうにも言い回しが上手くなくて」
「別に、なんでもいいですよ。気にしていませんから」
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