アナスタシア「しとしと、わくわく」
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8:名無しNIPPER[saga]
2020/08/02(日) 21:43:18.27 ID:HnCLjJSc0

  ◇ ◇ ◆

少しだけ小降りになってきたような気もする雨が、アーニャの差す赤い雨傘を叩きます。

本日の授業を終えて事務所へ向かう彼女の足取りは、
午前中に比べれば随分と軽いものへと変わっているようでした。
スキップとまではいきませんが、
周りに通行人が居なくなったタイミングを見計らって傘をくるりと回したり、
その下で揺れるアーニャの表情も、憂鬱そうな様子は見えません。


 「しとしと、ぽつぽつ。ぱたぱた、しとしと……♪」


くるりとまた傘を回しながら、アーニャが小さく呟きます。


パカパカや、それこそシトシトのように、
ロシア語にも繰り返す類の言葉は幾つもあります。

けれど、それを踏まえても、アーニャは日本語のオノマトペが大変お気に入りでした。


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