アナスタシア「しとしと、わくわく」
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12:名無しNIPPER[saga]
2020/08/02(日) 22:03:34.66 ID:HnCLjJSc0

  ◇ ◇ ◆

 「ズェベルシーニェ! 奈緒坊主、できました♪」

 「うん。特徴をよく捉えてる」

 「とりあえずモサモサさせときゃいいとか思ってないか?」

 「見て凛、アーニャ。私も奈緒坊主できたよ」

 「二つ作る必要あったか? モサモサさせときゃいいと思ってるよな?」


てるてる坊主という風習を何とかアーニャに理解させ、
元通りのにこにこ笑顔で坊主作りに参加してもらった頃には、
雨はもうほとんど止んでいました。

茄子と芳乃が満足気に頷いている隣でみんなの坊主作りを見守っていた蘭子が、
寂しげに隅へ寄せられた短冊に目を留めます。
サインペンのキャップを外し、少し考えてから、さらさらと願い事を書き上げて。


 『ロシアにも、てるてる坊主が広まりますように  蘭子』


そう書かれた短冊を、アーニャ坊主の隣にそっと結び付けるのでした。



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