10: ◆ivbWs9E0to[saga]
2020/08/02(日) 07:56:41.15 ID:dze2zfkn0
そのまま「そうだ」と分かりやすく両の手をポンと叩いた。
急なテンションの変化に彼自身の喉が驚き、おかしなタイミングで声が裏返っていた。
「たかネがアいてるみタい」
「なんて?」
あまりの違和感にエレナは聞き返した。
「貴音が空いてる。撮影の日」
「ホントウっ⁉ タカネ〜、一緒にロケ行こうヨ〜‼」
「ほう、ろけですか。どのようなものでしょうか」
「肝試しだってさ。ワタシ一人だと怖いけど、タカネと一緒なら安心だヨ〜」
貴音の首が九十度動いた。
だが、動いた様子は見えなかった。それほど高速で首が回転した。
無駄な動きは一切なく、音も立てず、ダンスレッスンで鍛え上げられた見事なアイソレーションだった。
美しさすら感じた。
きっとダンスの先生がこの動きを見たら教え子の成長に涙したことだろう。
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