29: ◆AhbsYJYbSg[saga]
2020/07/25(土) 19:56:51.68 ID:CALpbtq20
少女「いえ。ただ……なんだか胸のあたりがムカムカして、自分をもっと嫌いになりそうな気持ちです」ギュッ
スライム『あー……。それは悔しいといって、成長の素になる感情だ』
少女「悔、しい……」
少女(そっか、ボクは悔しいんだ。ちゃんと銃を扱えなかったことが)
修行十日目
図書室
パラ……パラ
少女「……」ジッ
竜「ん? どうした、分からない言葉でもあったか」パタン
スッ
少女「それはなんていう色ですか」
竜「ああ、オレの右目か。青だ。晴れた空の色だな」
少女「そっちは」スッ
竜「左目は白だ。晴れた空に浮かぶ雲の色だな。
お前、空を見たことあるか」
少女「洞窟へ来る途中に少しだけ。でもあまりじっくりとは見ませんでした」
竜「そうなのか」
少女「たぶん余裕がなかったんだと思います。あなたを殺すことだけを考えていたので」
竜「以前に空を見たことは」
少女「ありません。ボクは生まれてからずっと暗い場所にいました。地下の、寒いところに」
竜「ならちょっと見てみるか。今日は日が悪いかもしれねーが」ギイッ
少女「えっ」
洞窟 裏口
ザアアア……
少女「……」
竜「あーやっぱり雨だったか。残念だったな」
少女「なっ……なっ……」フルフル
154Res/124.88 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20