パワー「ついでに今晩はパンツも穿いとらん!」デンジ「おおっ!?」
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4:名無しNIPPER[sage saga]
2020/07/21(火) 00:42:13.29 ID:9sFi2ME0O
「オレは男なので孕みません」
「む? ワシに抵抗するつもりか?」
「物理的に無理です」

オレには教養がないので、生物学だのなんだのをパワ子に教えてやることは出来ない。
しかし、出来ないものは出来ないのだ。
それはわざわざ教えるまでもないことだ。

「なんじゃ、つまらんの! デンジに子を産ませてその子の血を吸えば永久機関が完成してノーベル賞かと思ったのに!!」
「いや、いろいろダメだろ、その発明は」

なんて悍しい発想をするんだ、この魔人は。
まあ、元は悪魔なので仕方あるまい。
ともあれオレはなるべくわかりやすく諭す。

「いいか、パワ子。我が子の血は吸うな」
「む? 何故じゃ?」
「そりゃあ、自分の子供は大切だからだ」
「ニャーコみたく?」
「ああ、そうだ。たぶん……」

力強く断言したいのはやまやまだが、いかんせんオレにも育児の経験はなかった。
だけど、この血に飢えた魔人にとってのニャーコのように、オレにもポチタが居た。

ポチタ。
オレの初めての友達。
悪魔なのに妙に人懐こくて。
チェンソーなのに犬みたいに鳴いていた。

「む? どうした、デンジ」
「……なんでもねーよ」

亡きポチタは今、オレの胸の中にいる。


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