6:名無しNIPPER[sage saga]
2020/07/11(土) 22:20:33.00 ID:5HEO7PNvO
「すまん。お前にそっち系の趣味があるとは思わなかった。せいぜい谷口とお幸せにな」
「そんなわけないだろ。こんなのただの冗談に決まっているじゃないか。だいたい、僕の片思い相手はキョンも知っているだろう?」
たしかに国木田が鶴屋さんに懸想していることは理解しているつもりだが、あれはもしかしたらカモフラージュという可能性もある。
「ああ、そうかい。それならそれでいいよ。僕は本当はキョンのことが好きで、それを隠すために鶴屋さんを身代わりにしたってことにしたいならそうしなよ。代わりに絶交だ」
「まあ、そう怒るなよ。冗談だって」
「冗談なの? ヤキモチじゃなくて?」
「おい、国木田。いい加減にしとけ」
「あはは。ほんとキョンは引き出しが一杯あって羨ましいなぁ。バスるのも納得だよ」
ひとを誘導尋問によって貶めておいて、どうしてこうもさっぱりした笑顔が出来るのか。
そしてどうして俺も、やれやれと首を振りながら微笑んでいるのか。その答えは簡単だ。
それは、俺がホモだから、では当然なくて。
「国木田、今度一緒に踊ろうぜ」
「僕と? どういう風の吹き回し?」
「だって、お前は俺の友達だろう?」
谷口はともかく。国木田は俺の友達だから。
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