貴方「僕がヒロインを攻略するまどか☆マギカ…オカルト?」マミ「それは終わったわ」
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◆xjSC8AOvWI
[saga]
2021/04/15(木) 00:20:57.98 ID:AYjAczSh0
夫人「……お客さんがいる前でする話じゃありませんよ」
神父「それもそうだ。とにかく、あまり帰りは遅くならないように。心配をかけてはいけないよ」
杏子「わかった……」
――雨はまだ降っている。
暗くなった空の下で輝くステンドグラスからは外の様子はよく見えないが、ザアザアと音がしていた。
雨を凌げるのはありがたい。しばらくそのまま過ごしていたが、神父が私のほうに寄ってきた。
神父「雨、まだ止まないみたいだね。おうちには連絡できるかい? 今の子は携帯とか持ってるのかな」
あすみ「……いや」
神父「番号がわかるなら、電話を貸すよ。もう遅いし、迎えに来てもらったほうがいいからね」
あすみ「あすみのお母さんは忙しいの。まだまだ……、家には帰らない」
……当然嘘。でも前まで本当だったことだから、スムーズに口から出てきた。
お母さんはいくつも仕事を掛け持ちしていたから、遅くまで帰らないことはよくあった。
それに遅い時間のほうがお金を稼げるらしい。
神父「そうか……それは困ったね」
夫人「今日はうちで食べていく? これから夕飯の支度をしてくるから」
断ったほうが面倒くさい相手なら受けてもいいが、さすがにそこまで世話になるのは――と思う。
杏子「で、でもさ……ねえ、分けるぶんってあるの?」
しかし、杏子が気まずそうに言った一言で察した。
ガラガラの教会。教会というのは弱い人から集めた金で儲けるものだと思ったが、その人もいなければ成り立つわけがない。
他人に分け与える余裕もない奴らから毟り取る気はなかった。私は魔力で空腹を凌げるんだから。
あすみ「やっぱいいよ。帰るから。……お母さんが帰った時にあすみがいなかったら心配するだろうし」
あすみ「家に帰ればご飯くらいあるよ。へーき」
杏子「えっ…… あっ、そうだ、傘! それなら傘くらい持っていきなよ! 風邪引いちゃうよ!」
それすら持っていかないと納得してくれなさそうだから、傘だけ借りることにした。
自分たちも恵まれてないくせに。持たない者のくせに。身を削ってまで人のために捧げようとするから愚かなんだ。
…………それにしても、この嘘はあんまりつきたくないな。嘘をつくたびに、心がきゅっと締め付けられている気がした。
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