貴方「僕がヒロインを攻略するまどか☆マギカ…オカルト?」マミ「それは終わったわ」
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485: ◆xjSC8AOvWI[saga]
2021/03/14(日) 22:04:29.15 ID:cW32b/rq0

あすみ「アンタ、強くなりたいの?」

なぎさ「はい。なぎさはもっともっと強くならないといけないのです」

あすみ「そうだね。強さは大事だよ。強ければ痛い思いしなくて済む」

なぎさ「……それもそうかもしれませんが、なぎさがもっと強ければ痛くさせないで済むんです」

あすみ「……?」


 返ってきた答えが予想外で、意味が分からない。


なぎさ「あすみは『回復の魔法』って得意ですか?」

あすみ「……いや。むしろ苦手。そんなのいらないし」

なぎさ「そうですか……。なぎさにはまだできなくても、頼めないかと思ったのですが」

なぎさ「なぎさのお母さん、病気なんです。なぎさが魔法で治そうとしても治らなくて。それどころか……」

なぎさ「―――――悪化したって、お医者さんが言ってたのです」

あすみ「……あのさ、練習って」


 よく見てみるとなぎさの手には切ったような傷がついていて、手には血がついたするどい石が握られていた。


なぎさ「病気とこんなケガじゃ違うのはわかってます! でも少しでも治さないと練習にはならないのです!」

あすみ「自ら傷なんて作ってどうするのさ。自傷行為なんて馬鹿のやることだよ!」

なぎさ「なぎさはこのくらい痛くてもいいんです! それに消えます! お母さんのほうがもっとずっと痛いはずです!」

なぎさ「お母さん、少し前まではまだ大丈夫だったんです。ずっと良くも悪くもならないままでした」

なぎさ「余命って言われてたのはもう過ぎてて、でも良くならなくて、今治せないときっと……!」

あすみ「…………」


 誰かを助けるために何かしたいなんて、そんな気持ちはもう長い事忘れ去っていた。

 ……まだ『痛い』んだ、その感覚すら忘れた――忘れようとしてる私と違って、自ら痛みを感じたいと思ってる。


 でもきっとどうにもならないだろう。魔法少女の魔法でも治せないのなら。

 現に手についた傷は魔法で消せている。経験だけで決まらないと言った通り、契約した時から得意不得意は分かれてる。

 なぎさの魔法ではそれ以上治せないんだ。もちろん、私の魔法でも。


 少し練習したくらいでその限界を超えられるものか。



*現実を…
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