616: ◆CpUz7d.S3o[saga]
2020/08/21(金) 17:19:12.96 ID:Ix+EQmkdo
ダンサー「私のダンスには宿っている。島の神の力が」
達人「我は神を信じていない。信じるのは己のみ」
ダンサー「私はあなたのような強き者の姿を変えた。塩をまく者はナメクジに。知恵ある者は赤ちゃんに」
ダンサー「宣言しよう。あなたは島の名産、ナマコになる」
審判「試合開始!」
ダンサーは達人から離れながら軽快なステップを踏む。
神のダンスの始まりだ。
使者「思わず見とれてしまうようなダンスです」
代理人「たしかに目が離せなくなるな。達人の様子は……」
使者「おおっと達人、目を閉じている! ダンスを視界に入れない作戦か!?」
達人「我なりにそなたの技について考えてきた」
達人「我の出した答えは……何を企んでいようと見なければ良い」
達人はのしのしと、正面に向かって歩き出す。
この対処法は正しかった。
ダンサーの戦法の正体は、戦う相手に効果を増幅する魔法をかけておいた状態で使う、催眠術である。
目を閉じていなければ、今ごろ手も足も出せなくなっていただろう。
ダンサー(想定内です。あなたの対応)
予選で、力士はダンスからわずかに視線をそらしながらダンサーにつかみかかろうとした。
しかしこのダンスは視界に入っていれば不可避。あえなく地を這った。
クイズ王は足元だけを見て戦おうとした。
しかし相手を見ずに攻撃を当てることは不可能。ちらちらとダンスが視界に入るたび知性を失っていった。
対処法が分かっていても対処できない。
誰もが突然、視覚を失った状態での戦いを強いられる。
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