596: ◆CpUz7d.S3o[saga]
2020/08/18(火) 19:13:17.02 ID:s3g0Vkofo
開拓者「何の前触れもなく背後に現れたぞ。あれはまさか魔法か?」
戦術魔導士「あれは短い距離のワープ。本来は利用価値のない初級の魔法だね」
弟子「ハア、ハア……」
立役者「素晴らしい。ここまで持ちこたえたのはあんたが初めてだ」
弟子(待ってくれるのはありがたい……)
弟子「お前、現れた時と全然雰囲気が違うじゃないか」
立役者「それは当然のこと。私は立役者」
立役者「男でも、女でも、善人でも、悪人でも、強者でも、弱者でも、演じることができる」
弟子「ああそうだな……ユニコーンさえ騙せるのか。本当のお前はこんなに冷たい殺気を放つ野郎なのによ」
立役者「それもまた一面を理解しているに過ぎない。私はサムライを演じているだけなのだから」
弟子(……なんかおかしくないか? ずいぶん待ってくれるな)
立役者「さあそろそろ始めようか」
弟子「ああ。おかげで調子が戻ってきたぜ」
立役者は本来、積極的に攻撃を仕掛けるよりも相手の攻撃に合わせたカウンターを得意としている。
しかし今回の相手はカタナよりリーチが長く、突きを得意とする槍術家。
普段の戦法に適した距離を保つのはむしろ危険であり、間合いを詰めなければならなかった。
グイッ
立役者(何者かに脚を掴まれた……!?)
弟子(かかった!)
弟子はそこを狙った。立役者の足首に植物が巻き付いていた。
1試合目の宣伝で超能力者が咲かせた花にまぎれて、蔓を忍ばせていたのだ。
弟子「くらえ!」
わずかにバランスを崩す立役者に対し、弟子は慌てずに一歩後退すると、槍を投げつけた。
立役者「くっ……!」
避けられない。立役者は仕方なくカタナで叩き落す。
すると、電光が槍を通って地面に流れるのが見えた。
689Res/504.38 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20