180: ◆CpUz7d.S3o[saga]
2020/07/12(日) 00:01:23.87 ID:tpVJ4s9ho
アイコン「では、我々の依頼を引き受けていただけますか?」
開拓者「今はやめてくれ。ただでさえやることが多いんだ」
開拓者「今日は質問に来たんだ」
アイコン「亜熱帯の町の大学についてでしょうか?」
開拓者「ああ。お前、地上に技術提供していないか?」
アイコン「いいえ。地上の技術水準が我々の都市と同等になるまで、接触は最小限にとどめる方針です」
開拓者「では、近年のすさまじい技術力の発展の速さは、すべて研究者と技術者の努力の成果で、お前は何も関わっていないんだな?」
アイコン「関わっています」
開拓者「だろうな。科学技術の進歩が加速したのは、15年前、王都を作った時に、俺と王がこの地底都市を発見してからだった」
開拓者「しかしお前は直接の接触はしないと約束していたはずだ」
アイコン「……。……。……」
アイコン「……。優秀な知能を持つ人物の、脳にデータファイルを送信しています」
開拓者「珍しく言葉を選んだ結果がそれか……」
アイコン「データファイルはあくまで技術を閃くためのきっかけです」
アイコン「優秀な人物が研究を重ね、我々の技術を理解できる水準に達したとき、はじめてデータファイルが開きます」
開拓者「なるほど。結局は努力か」
アイコン「我々の技術を再現することに成功した人物は、現在35名しかいない送信者のうち、わずか8人です」
開拓者「王国に何人かとびぬけた天才学者がいるのはそのせいか!」
開拓者「亜熱帯の町の理工学者も、学問の都の三賢者も、兵器の町の開発者も、王都の新市街の計画者もそうだな?」
開拓者「彼らの作るものはこの都市のものに雰囲気がよく似ている」
アイコン「お答えできかねます」
開拓者「ところで、俺の脳には何も送っていないのか?」
アイコン「……。……。……。送る価値がありません」
開拓者「言葉を選んだ結果がそれか!!」
おわり
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