男「大将! 油マシマシのアチアチラーメン一丁」
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2:名無しNIPPER[saga]
2020/07/05(日) 08:59:43.06 ID:sGoLw9kr0
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 時刻は午前9時。とてもラーメンを食べるような時間ではないが、店内には既にラーメンの臭いが充満している。寸胴鍋はコポコポと煮えたぎり、白い湯気をもうもうとあげている。高く伸びた孟宗竹に日の光が遮られているせいで、店内はどこか薄暗い。僅かな間接照明に照らされるのは、黒檀の調度品。とてもラーメン屋の店内とは思えない程の優雅な空間の一角、白い霞にまみれたカウンター席で、店主が一杯のラーメンを前に手をあわせていた。

 店主の前に置かれたるは、雷来軒唯一のメニュー「こってりラーメン」。スープは、一見するとチャーシューと同化してしまいそうなほど濃ゆい赤銅色で、その濃厚さを体現するかのようにトロミを帯びている。含まれる油分は如何ほどの物かとても想像が及ばない。麺は中太のちぢれ麺で、その濃厚なスープとよく絡み、店主の「スープを味わえ」という強い意志が伺える。付け合わせは、メンマに白髪ねぎ、チャーシュー、そして燻製たまご。オーソドックスな組み合わせではあるが、いずれも店主がこのラーメンの為に作った自身の品である。

 再度、申し上げるならば時刻は午前9時。朝食にしては実に重たい一品であろう。

 「いただきます」


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