男「大将! 油マシマシのアチアチラーメン一丁」
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18:名無しNIPPER[saga]
2020/07/05(日) 09:08:13.39 ID:sGoLw9kr0

 店主のハートがふと燃え上がった。

 「何人たりとも俺の店で好き勝手にされてたまるか。何が『命をかけてラーメンを食う』だ。俺の作った味には、如何なる者も手を加えちゃいけねえんだ。客の命なんてもん絶対にかけさせねえ。かけていいのは俺の命だけだ。それに、何が『私が代わりに食べてやる』だ。こいつは、朝九時一杯目のラーメンなんだ。食していいのは俺だけだ!」

 店主は、二人の間に無理やり割って入る。二人ともすごい力ではあるが、朝早くから徒歩で山を登ってきた身である。とても店主の腕力には適わず、ドンブリを奪われてしまった。店主は、恐ろしい勢いで麺をすすり、スープを飲み、燻製の玉子をかじった。みるみる失われていくドンブリの中身に、大タヌキがすすり泣き、ナナフシがあんぐりと口をあけてその様子を眺めている。

 店主は、ずずずっと最後の一滴までスープを飲み干し空のドンブリをドンっと机に置いた。


 「今日のラーメンはいまいちだ。帰ってくんな、今日はもう店じまいだ」


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