男「大将! 油マシマシのアチアチラーメン一丁」
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14:名無しNIPPER[saga]
2020/07/05(日) 09:06:21.99 ID:sGoLw9kr0
店主の脳内は、疑念に溢れ相変わらずの混乱状態だ。だが、厨房に入ると体に染みついた動作が自然と繰り出される。スープはいい具合に煮詰まってきている。白髪ねぎを細く刻み、瓶からメンマを取り出す。チャーシューは、薄すぎず熱すぎず。スープの熱で、中まで十分温まるぐらいがベストだ。そして、昨晩の内に燻しておいたゆで卵。こいつがあるのと無いのじゃ、段違い。さあ、机に並びますは来々軒が最高の一杯「こってりラーメン」だ。
「へい、お待ち」
大タヌキは目の前に置かれたどんぶりを前に、感極まっている。震える手を何とか抑え、割りばしへと手を伸ばす。静まり返った店内に、割りばしの割れる音が響いた。
「いただきま―――」
「だめだ! それを食べては死ぬぞ!」
店内に、店主でも大タヌキでもない、三人目の声があがった。まだ開店前だというのに、なんと慌ただしい一日であろうか。本日、二人目の来訪者。大タヌキと同じ青色の服をまとったナナフシであった。
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