小美浪あすみ「仕方ねーな。アタシがひと肌脱いでやる」
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2:名無しNIPPER[sage saga]
2020/07/04(土) 03:45:24.16 ID:ybIwhY18O
「どうだ、ちっとは落ち着いたか?」
「あ、ありがとうございます、先輩」

小美浪診療所の診察台に寝かされて、適切な処置を施された俺の呼吸は随分楽になった。

「んな重病人みてーな顔すんなよ。ちとしんどいしゃっくりみてーなもんだと思え」
「そ、そうなんですか……?」
「うんにゃ。厳密には全然違う。しゃっくりは横隔膜の痙攣によるものだが、過呼吸は血液中の酸素濃度のバランスが崩れた結果、酸素過多で二酸化炭素不足となった状態を指す。そうすっと、延髄は無意識に酸素過多状態を改善するために呼吸を停止させるんだが、大脳のほうはそれを異常と捉えて呼吸させようとする」
「はあ……なんか難しいですね」
「要するに、身体の状態に対して延髄と大脳の認識がズレていることによって引き起こされる勘違いってわけだ。そして後輩。お前はいま、自分が過呼吸に陥ったと捉えているかも知んねーが、それこそが勘違いだ」
「え? それってどういう意味ですか……?」
「お前が感じた息苦しさは過呼吸ではなく、過換気症候群によるものだ。過呼吸が主に運動によって生じるのに対して、過換気症候群は心理的な要因によって引き起こされる」
「はあ……」

流石は医学部志望。おまけに医者の娘。
理科が苦手なのが不思議なほどに詳しい。
もはや苦手というのは無理があるほどに。


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