小美浪あすみ「仕方ねーな。アタシがひと肌脱いでやる」
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1:名無しNIPPER[sage saga]
2020/07/04(土) 03:41:54.97 ID:ybIwhY18O
「ん? どした、後輩」

もしも俺に。
古橋文乃のような文章力があれば。
もしも俺に。
緒方理珠のような計算力があれば。
もしも俺に。
武元うるかのような魅力があれば。
もしも俺に。
桐須真冬のような美しさがあれば。

「気にすんなよ。お前はよくやってるさ」

果たして、そうだろうか。
俺は上手くやれているだろうか。
天賦の才に囲まれて、埋もれて、息もままならず窒息しているだけではないのか。

「チアノーゼは見られない。落ち着いて、ゆっくり息をしろ。吐くほうを優先するんだ」

ふと我に返ると、どうしようもなく焦る。
天才達への憧憬が募り、自分に失望する。
そして気づくのだ。俺は天才ではないと。

「大丈夫。お前にゃアタシが居る。平気だ」

そうして過呼吸の発作を起こした俺に寄り添ってくれたのは、小美浪あすみ先輩だった。

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2:名無しNIPPER[sage saga]
2020/07/04(土) 03:45:24.16 ID:ybIwhY18O
「どうだ、ちっとは落ち着いたか?」
「あ、ありがとうございます、先輩」

小美浪診療所の診察台に寝かされて、適切な処置を施された俺の呼吸は随分楽になった。

以下略 AAS



3:名無しNIPPER[sage saga]
2020/07/04(土) 03:48:57.26 ID:ybIwhY18O
「つーわけで、後輩」
「はい、なんですか?」
「今日はアタシが優しくしてやんよ」

そう言って言葉通り、小美浪先輩は優しく微笑んで、同じく優しい手つきで頭を撫でる。
以下略 AAS



4:名無しNIPPER[sage saga]
2020/07/04(土) 03:51:51.88 ID:ybIwhY18O
「先輩だって、焦ることはあるでしょう?」
「そんなもん、しょっちゅうだよ。なにせアタシは浪人生だからな。焦るに決まってる」

小美浪先輩は去年、受験に失敗した。
浪人生となった彼女は予備校に通い、その学費を稼ぐためにメイド喫茶で働いている。
以下略 AAS



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