54:名無しNIPPER[saga]
2020/07/02(木) 22:40:21.66 ID:0AxqYuWp0
「ところであなたはホワイトナイトをこれからも描いていくつもりだと言っていますね。
それは勿論電子レンジの恩恵によるものでしょう。しかしそんな溶解した状態ではいつ動かなくなるかわかりませんよ。
そうなった時にあなたはどうするつもりですか。ご自分でホワイトナイトを描き続けることが出来ますか。」
そう右京から問われると哲平は再び目を逸らして口篭ってしまう。
そして今の話を聞いて伊月も改めて思うところがあった。
先ほど集英社で読ませてもらった哲平の原稿。あの某海賊漫画の擬きが哲平の実力だ。
恐らくは今の自分すら下回るレベル、その哲平に自身が苦心の末に生み出したホワイトナイトを託さなければならない?
彼にこの先を描く実力など絶対にない。そのことをようやく確信した伊月は哲平を前にして改めてこう告げた。
「返して…」
「え?藍野さん何を言ってるんだ。」
「だから返してよ…私のホワイトナイト…」
「ダメだ。もうホワイトナイトは俺じゃないと…」
「馬鹿言わないでよ!あなたに続きなんて描けない!
もしレンジが壊れて続きが描けなくなったらどうするの!?嫌よ…お願いだから返してよ…」
困惑する哲平に涙ながらに訴える伊月。その悲痛な感情はまさに鬼気迫るものだった。
そんな伊月を哀れに思いながら右京は再度哲平にあることを尋ねた。
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