28:名無しNIPPER[saga]
2020/07/01(水) 01:08:09.26 ID:A7tKNGJh0
「つまりこういうことです。佐々木先生はアシが付かないように地方で窃盗を行っていた。
その際に高知にある伊月さんの自宅に忍び込んで偶然にも彼女が描いていたホワイトナイトの原稿を盗み見した。そして彼女の作品を盗作したのではないでしょうか。」
「馬鹿な…どうして先生がそんなことを…」
「失礼ながらお尋ねしますが佐々木先生はホワイトナイトを描く前は何をなさっていたのですか?」
「さあ…僕は彼がホワイトナイトを描いた時からしか知らないのでそれほど付き合いは長くなくて…」
どうやら宗岡が佐々木哲平を担当するようになったのはホワイトナイトの読み切りが載ってからだという。
つまりは一ヶ月前、それ以前の佐々木哲平については一切知らないそうだ。
それなのによく担当を務めるようになったのかと聞いたら実はこんな事情があった。
「一ヶ月前の編集会議の時でした。その会議中に佐々木くんが突然やってきて編集長に直談判紛いでホワイトナイトの原稿を持ってきたんです。」
その原稿を読んだ編集長はすぐにホワイトナイトを好評してすぐに読み切りで掲載されることが決定した。
今の話を聞いて右京と冠城は佐々木哲平の盗作疑惑に益々信憑性を抱くようになった。
何故なら作品というものは編集に何度もチェックさせられてその末にようやくOKが出る。
それなのに今の話を聞く限りでは佐々木哲平はほぼ独力でホワイトナイトを描いたと本人は告げたそうだ。
やはり佐々木哲平には不審な点が見受けられると判断した。
「とにかくこっちは忙しんです。それでは失礼します。」
話を終えると宗岡は不機嫌な態度ですぐにその場を立ち去った。
しかし今の話だけではどうにも不十分だ。気になるのはホワイトナイトを描く前の佐々木哲平だ。
佐々木哲平が本当に盗作を行ったのか明らかにするためにはどうしても彼がホワイトナイトを描く前の作品を知る必要があった。
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