16:名無しNIPPER[saga]
2020/07/01(水) 00:48:47.30 ID:A7tKNGJh0
「確かに内容はいくつか異なる面が見受けられますね。」
ジャンプで載っていたホワイトナイトは青木が言うようなまあそこそこ面白い漫画に仕上がっている。
話も余計な描写もないので初見の人間でも読みやすいように構成されていた。
対して少女の原稿はネームで恐らくはまだ成書されていないのか作画は乱雑としたものだ。
そしてもう一点、異なる部分といえば作者の名前だ。
ジャンプのホワイトナイトの作者名は佐々木哲平。少女が持っていた原稿に記されていたのは…
「アイノイツキ…ひょっとしてキミの本名か…?」
その問いに少女はコクッと静かに頷いた。
藍野伊月、これでようやくこの少女の名前がわかった。
しかし漫画を読んでわかったのは伊月の名前くらいだが右京はこんなことを言いたかっただけなのか?
「二つのホワイトナイトを読み比べてあることがわかりました。
それはジャンプで描かれたホワイトナイトは…確かに構成力はあると思います。
ですが言い換えるとそれは大事な部分をすべてカットしていると僕にはそう思えます。」
「右京さんが何を言いたいのかなんとなくわかりますけど…つまりはTVの番組みたく余分な部分をカットしていると…?」
「そういうことです。これを鬼滅の刃で例えるなら一話で家族を殺された炭治郎が鱗滝さんの下で修行を行わずいきなり鬼殺隊の剣士として戦うようなものですよ。」
「…よくわからないけど…それ大事なことなんですか…?」
「当然です!いいですか!炭治郎が鱗滝さんの下で修行しなければ炭治郎は水の呼吸を覚えられずそれに錆兎や真狐とも出会えずにその後の冨岡義勇との絆は…」
右京の鬼滅トークはスルーで聞き流しといて冠城も指摘された点を読み直すと確かにその通りだった。
ジャンプに掲載されていたホワイトナイトを読んだ後で伊月のホワイトナイトを読むとまるで映画のディレクターズカット版のように各シーンの伏線などを補強している感じが見受けられた。
だがこうなると益々奇妙だ。普通こんなことは物語を描いた原作者にしかできない。
他の第三者がやれば原作の意図が理解出来ずに支離滅裂な展開に陥る恐れすらある。
それをまるで原作者の意図を完璧に理解した上で描いたのだから大したものだ。
しかしジャンプのホワイトナイト作者の佐々木哲平と目の前にいる藍野伊月は全くの別人だ。
これは一体どういうことなのか?
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