【タイムパラドクスゴーストライター】アイノイツキ「消えたキリスト」
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7: ◆K1k1KYRick[sage]
2020/06/28(日) 17:44:53.35 ID:rwxHLxm40
しかし、落胆していると突然それは動き出した。

電子レンジをそっと開けてみると、探していたあのジャンプが発見された。

発行日を見ると、間違いなく存在し得ない十年後の未来のものだ。

中を覗いたが、ワープホールと思しき物は見当たらない。

どうもこれが転送された後に消えてしまったようだ。

しかし時流の歪曲した痕跡は確認出来た。

恐らく過去に、何らかの電気的衝撃を受けてこの機械周辺の時空が歪んだのだろう。

操作しようとしても電源を断つか開け閉めくらいしか出来ない。

これはこれで最小単位のタイムマシンとして興味深くはある。

証拠物件としてメモリーに記憶し本部へと転送しておく。

しかしこの事を知りながら剽窃していたササキ氏に罪がないとは決して言えないだろう。

「……!」

その時、私はドアの前立っているササキ氏と目が合った。

秘密を暴かれた彼は明らかな困惑を見せている。

「五十嵐さん! 何故ここに……」

彼は私の「仮名」を叫んだ。予想以上に早い帰宅だ。

恐らくこの雑誌が転送される時間帯だったので気になったのだろう。

最早隠し立ては無用だ。

私はスッと立ち上がり、時空警察の電子手帳を提示した。

「……申し遅れました。五十嵐肇、未来での識別コードナンバーはMON28062020。
 貴方に航時法違反その他の嫌疑がかけられています。事情聴取に応じて下さい」

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