【タイムパラドクスゴーストライター】アイノイツキ「消えたキリスト」
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12: ◆K1k1KYRick[sage]
2020/06/28(日) 17:52:26.08 ID:rwxHLxm40
「――しっかりしろ、MON28062020」

痛む生身の体を、誰かが揺り起こした。

耳に響いたあの悪魔の咆哮はいつの間にか消えていた。

目を開けると、見慣れた灰色のボディをした同僚たちが私を覗き込んでいた。

アイノ氏も一緒だ。

「間に合って良かった。座標を特定してくれて感謝する」

「五十嵐さん……こ、このロボットたちは……?」

アイノ氏は彼らの間に居ながら、好奇と恐れを秘めた目を彼らに向けていた。

この世界ではサイボーグ技術は全く進んでないから驚くのも無理もない。

仲間だと教えて安心させてから、私は痛む体を無理やり起こして周りを見る。

恐ろしいあのササキ氏は地に組み伏したままピクリとも動かない。

恐らく麻酔針を刺されて無力化されたのだろう。

私欲で時空警察に対して凶行を働いた事により

恐らく彼は二十年の冷凍刑に処される事になりそうだ。

「刑期が終わった後、彼は一切の記憶を消されて時空警察の監視下で放逐されます。
 ホワイトナイトどころか自分の出身地すら覚えていない状態なのでご安心を」

私は溜息をついた。未来において、記憶を剥奪されるのは最も残酷な処置だからだ。

元凶であるタイムマシンを見て、同僚たちは

この骨董品のキメラがどうしてタイムマシンになったのか不思議がっていた。


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