70:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 19:37:09.99 ID:W5lmC8VA0
そうだ――藍子ちゃんが言っていたんだ。
相手を嫌な思いにさせてやろうなどとは微塵も考えない、346プロの中でも有数の気ぃ遣い屋さんなのだと。
「アタシね? アイコちゃんに約束したの。
今度のオーディション、勝たなくてもいいから、ちゃんと楽しんできてねって」
「勝たなくてもいい、って……どうして?」
オーディションは、勝たなきゃ意味が無い。
次につながるお仕事が無くなってしまうか否かの正念場で、楽しむことの優先度がどうして高くなるのだろう?
まして、この子は藍子ちゃんに自分の機会を譲ったのに、それが無駄に終わってもいいのだろうか。
「だって、楽しい方が楽しくない?」
彼女は満面の笑みで答えた。
「チトセちゃんは、アタシと一緒に宮本式のジャックと豆の木ごっこして、楽しくなかった?」
90Res/81.70 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20