21:名無しNIPPER[sage saga]
2020/06/26(金) 00:53:57.87 ID:pCrOcsWZO
「ふぅ……いっぱい出たな」
「うん。式、君のおかげだよ」
僕も式もいっぱい出した。充実感が満ちる。
「幹也、なんかオレ、眠くて……」
「式もかい? 実は僕もなんだか眠くて……」
眠気を訴えた式が、そのまま覆い被さった。
「このまま、少し寝る」
「うん。じゃあ僕もひと眠りしようかな」
急激な睡魔によって、目蓋が重くなる。
目を閉じると上に乗る式の重みと、温かさと、心臓の鼓動がより近くに感じられた。
「幹也、オレを離すな」
「うん。わかった。約束する」
固く手を握り合ったまま、僕らは眠る。
それがまさか永遠の眠りとは露知らず。
微睡の淵に沈んだ意識が消えて死んだ。
「もう沢山だ」
ザクリと、ナイフが突き刺さる。
その痛みに悲鳴をあげることはない。
だって僕らは、命なき人形だから。
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