18:名無しNIPPER[sage saga]
2020/06/26(金) 00:48:29.53 ID:pCrOcsWZO
「よかった」
「この状況でどうして安心しているんだ?」
「式がひとを愛せるようになってよかった」
僕は心からの安堵していた。同時に嬉しい。
式のそれは酷く歪なものかも知れないけれど紛れもない愛であり、確かな愛を感じた。
「こんな形でお前を愛するオレを、オレは軽蔑する。まったく、どうしてこうなった」
「いいじゃないか。僕は君を受け入れるよ」
そう言って笑ってみせると式が小さく呟く。
「……好き」
「え? なんだって?」
「……聞こえている癖に。バカ幹也」
罵倒とデコピンをされ、むず痒さを覚えた。
「オレも安心した」
「どうしてだい?」
「こんなオレのことを幹也は嫌いになるんじゃないかと思って、ちょっと怖かったんだ」
言われて気づく。式の細い指先が震えてる。
「式、手を」
「ああ。離すなよ、幹也」
「うん。僕は絶対に君を……離さない」
指を絡めるように手を繋ぎ合って時を待つ。
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