高森藍子「目指せ!水先案内人!」
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6: ◆jsQIWWnULI
2020/06/20(土) 19:45:16.26 ID:5N5BJxwZ0
『マルコポーロ国際宇宙港へようこそ』

『ネオ・ヴェネツィアに観光のお客様は三番窓口を……』

宇宙船から降機して、二番ゲートを通った私は、多くの人で溢れているロビーを抜け出し、出口へと駆ける。

「……スゥ……」

そして、出口から出てまず最初に思いっきり息を吸い込んだ。鼻腔を通って身体全身に巡るのは、マンホームでは嗅げない匂い。なんだかとっても懐かしい気分にさせてくれる、海の匂いを胸いっぱいにためる。

「……ぷはぁっ!」

そして、吐いた。これだけでもう、ネオ・ヴェネツィアの一員になれた気がして、私は無性に嬉しくなった。

目の前にはすぐ海が広がっていて、私はその生みの近くへと歩いた。潮風が、少しウェーブがかった私の髪の毛を、優しく持ち上げる。

「んん〜。気持ちいい〜!」

長旅で固まった身体を伸ばしながら、もう一度大きく深呼吸する。私の故郷は確かにマンホームだけれど、たしかになぜか懐かしい匂いが私を包んで離さない。

「ここが、水の都……」

私は遠くにある太陽を薄目でみながら、そう呟いた。


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