59: ◆uYNNmHkuwIgM[sage saga]
2020/06/12(金) 22:55:11.90 ID:BHjCA0Mo0
「じゃあ、隅子さんにコーヒー1つよろしくね。」
あれから数日が経った。退院して喫茶店に顔を出し、マスターに謝られる前に俺は全力で謝罪をした。マスターは笑顔で許してくれて、一安心した。
あれ以来、俺はシフトを減らしてもらった。今はその時間を勉強に充てている。これで今度の期末試験は、グーンと成績が伸びるに違いない。
「いや、マスターあの人の正体知ってますよね?」
マスターは俺のツッコミに答える。
「まぁ、この歳になると一度定着したことを切り替えるのが難しいんだよ。」
姉さんはまた俺のバイト日に合わせて喫茶店に来るようになり、マスターはそれがとても嬉しいみたいだ。いやでも、なんで姉さん俺のバイト日正確に知ってるんですか?
「陸君、隅子さんのこと大事にしなよ。あんないいお姉さん、なかなかいないんだから。」
マスターはコイバナをしなくなった代わりに、しきりにこういうことを言うようになった。姉に迷惑をかけた身としては本当に耳が痛いのだけど、本当のことなので仕方がない。
「はい。笑顔2割増でサービスしておきます。」
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