31: ◆uYNNmHkuwIgM[sage saga]
2020/06/12(金) 22:17:00.79 ID:BHjCA0Mo0
そう言うと、プロデューサーさんは柔和な表情に戻った。理由を聴きたいというのは本当の真剣な話で、でも俺が話しやすいように、一旦仕事モードをオフにしたんだと思う。はぁ...これは話さないわけにはいかないみたいだ。
「姉はずっと俺と母さんを守ってくれました。多分、いろんなものを犠牲にしたと思うんです。だけど、俺はそれを知らなくて、甘えてました。」
「そんな自分が嫌で、姉さんのように強くなるために、俺なりに頑張ったんです。沢山アルバイトして、お金稼いで、俺は一人でも大丈夫なんだって証明するために。」
「芸能界は嫌だったんです。どうしても姉さんの名前が付き纏って、俺一人で戦うことは出来ないから。でも、俺、姉さんに八つ当たりしちゃったから、どうにかしないと、このまま駄目になると思って。」
前後の文脈もうまく繋げないまま、ただ思いを言葉にして形作る。プロデューサーさんは何も言わず、ただ優しい目でそんな俺を見守ってくれていた。
そんなプロデューサーさんに勇気づけられて、俺はゆっくりゆっくりではあるけれど、思いを最後まで言葉にすることができた。腹の底に溜まったドロドロと冷え固まったものが、幾らか消えてった気がして、身体がやや軽くなった気がする。
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