10: ◆uYNNmHkuwIgM[sage saga]
2020/06/12(金) 21:37:16.01 ID:BHjCA0Mo0
「それにしても、お前本当に料理上手いよな。」
友人は、俺の弁当から盗んだピーマンの肉詰めを頬張りながらそう言った。俺もお返しに、そいつの弁当から盗んだ唐揚げを頬張りながら答える。
「まぁ、小さい頃から作ってるしな。慣れだよ慣れ。」
「そっか、すげぇな。」
何気なしに俺を褒めた友人のリアクションに、少し居心地が悪くなるようなむず痒さを感じる。
俺は小さい頃から家事を一通りこなしていて、料理、掃除に洗濯、裁縫などなど、同年代の誰よりも上手かった。でも、それは小さなガキにはなんのステータスにもならなくて、「男のくせに」ってバカにされるばっかりだった。
そんなわけで、さっきのコントでの称賛もそうだけど、俺のこういう面にポジティブな評価をされるのに慣れていない。俺はむず痒さを誤魔化すように友人に言葉を返した。
「まぁ、俺にはこんなことしかないからな。」
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