【安価コンマ】貴方は世界を巡るようです 7巡目
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30: ◆Nq0wl2Ysns[saga]
2020/06/02(火) 03:12:36.20 ID:cdSYijSj0
「んー、じゃあ右耳終わったから次は左耳ねー」

そう言って、もう全身の力が抜けて殆ど寝ているみたいな僕を寝返りみたいにごろんと転がして。左耳を上に向ける。

顔がユウナのお腹に埋めるみたいに形になって、ユウナの匂いがより一層強くなる。

「んっ……ぅ……はんたい……?」

「うん、けど寝てていいよワイズ?」

……瞼が重い。意識が何処かに行ってしまいそうだ。

もう寝よう、寝てしまおうと思うが――左耳の快楽を起きている間に感じたいと思う僕の感情が邪魔をして、瞼が閉じないように、意識が何処にも行かないように睡眠へのバリケードを設置する。

「ほら、ぼくが頭撫でてあげるから」

「ぁ――――」

今日何度目かの頭なでなで。

それが与える最高の安心感が、バリケードを一瞬で拭き飛ばして、僕の意識は――――。

「…………うん。お休み、ワイズ――大好きだよ」

左耳に、温かくて柔らかい何かが押し当てるように一瞬触れて。彼女の声がずっと囁かれた。


――――かりかり、かりかりかりかり……。

――――くりくり、かきかきかき……こりこりこりこり……。

――――ふわふわふわー、もふもふもふもふ……。

――――くるくるくるくる………。

――――ふー……………っ。


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