古澤頼子「高峯のあの事件簿・マスターピース」
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70: ◆ty.IaxZULXr/[saga]
2020/05/18(月) 21:31:15.59 ID:RS4SDFXO0
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清路警察署・和久井班室

のあ「……真奈美」

真奈美「ソファは寝心地が悪いのか?大和巡査部長の寝袋と交換するか、高性能だぞ」

のあ「ソファでいいわ」

真奈美「眠れないのか」

のあ「ストレスで寝すぎても寝れないことはないわ」

真奈美「そうだな。何か話したいことがあるなら、聞いておく」

のあ「……留美について」

真奈美「聞くよ」

のあ「初めて会った時、私は二十歳になっていなかった。留美は新米刑事だったわ」

真奈美「仲は良かったのか」

のあ「いいえ。まったく気が合わなかったわ」

真奈美「そうなのか?」

のあ「今思えば、どうしてあんなに言い争ってたのかしらね」

真奈美「前川君の話題はどうだ、共通の趣味だろう」

のあ「最初はそれも意見の相違があったわ。でも、みくにゃんの前ではちっぽけなもの。それに、真奈美が来た後でしょう、距離感が分かってきたから喧嘩もないわ」

真奈美「その前に共通の話題はあったのか。柔道とか」

のあ「そこも気に食わないわ。組み手が左でやりにくいのよ」

真奈美「私よりよほど、気が合いそうなんだがな」

のあ「似たようなモノに注目するのに、意見が少し異なるからでしょうね。真奈美やまゆのように着眼点が違う方が良いのね。でも、今ならわかるわ」

真奈美「何がだい?」

のあ「得体の知れない若造に真面目に取り合ってくれたのね。留美だって、刑事になって間もないのに」

真奈美「柊課長の入れ知恵じゃないかな」

のあ「きっとそうね、志乃は必要な時しか口は挟まなかったもの」

真奈美「真剣に向き合えば、分かってくるさ」

のあ「ええ。お互い良く知って、どの距離感が良いか今はわかってる。尊敬できる人物であることも知ってる。だから……」

真奈美「……」



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