阿良々木暦「僕がひたぎさんを嫌う未来なんてない」
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11:名無しNIPPER[sage saga]
2020/05/16(土) 23:30:16.77 ID:Gzf81c1XO
「さあ、ひたぎさん。立って」
促すと、ひたぎさんは尻込みをした。
「実は、もう歩けなくて……」
「なら、僕がおんぶしてやるよ」
「余計に出そうで怖いわ」
「その時は、その時さ」
腹痛時のおんぶほど怖いものはない。
一説によると、排泄に適した体勢らしい。
たしかに尻の穴が全開となる格好だ。
「あ、やだ。これは思った以上に厳しいわ」
「ひたぎさんの可愛い声が聞けて嬉しいよ」
「ばか……さっさと歩きなさいよ」
そうして僕らは歩きだした。
急がす焦らず、一歩一歩、踏みしめて。
背負う恋人の温もりを感じながら。
ぽたり。ぽたり。
「暦、下ろして」
「大丈夫。まだいける。もう少しだけ」
ぽたり。ぽたり。ぽたり。
「あのね、私はもう……」
「ひたぎは大丈夫」
「暦、聞いて。私はもう……ダメなのよ」
「大丈夫。僕がついてる。だから平気だ」
彼女と自分に言い聞かせて、理解を拒んだ。
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