【安価・コンマ】ループ世界の主人公として生きる
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339:名無しNIPPER[saga]
2020/06/30(火) 21:16:48.36 ID:gX+iCkeR0
記憶が蘇る。あれは、座間徹を冬野真白が庇って大怪我を負った日だ。
彼女は一命を取り留めていたが、事故の影響で内臓がひどく損傷しており、余命は僅か数日といったところだった。
冬野「...死ぬ、のかなぁ」
そんな事を呟きながら窓の外に目をやっていると、何か閃光が迸るのが見えた。
冬野「何だろ、あれ?」
理由は分からないが、不思議とその光に惹かれた。気づけば病院を抜け出し光の元へ向かっていた。
冬野「確か...この辺り」
そこには小さなクレーターがあり、その中央には何かモヤのようなものが漂っていた。
『聞こえるか?』
冬野「え?」
突然頭に声が響く。
『クソ...。時間がない、さっさと答えろ。お前はまだ生きたいか?』
冬野「へ?」
状況が飲み込めず、アホみたいな声を出す。
『急げ!』
冬野「え、う、うん!」
『分かった。だが条件がある。それは──』
回想が終わり、意識が現在に戻る。
冬野「それは...俺とお前が入れ替わる事」
『そうだよ。アナタに身体を明け渡す代わりに、私は生きられる』
冬野「だが...いくら俺たち精神生命体でも入れ替わりなどと、そんな事は容易にはできない」
『だから更なる制約として、アナタは人間の真実の愛と友情を知るまで記憶を失い、冬野真白として生きることを付け加えたの』
冬野「そうだったな...」
『それじゃあ...そろそろ戻らない?』
冬野「あ、ああ」
意識が入れ替わる。
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