【安価・コンマ】ループ世界の主人公として生きる
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296:名無しNIPPER[saga]
2020/06/26(金) 20:21:26.67 ID:VIG1tRMr0
室長室まで行こうと通路の角を曲がったところで水面ちゃんと出会した。
朝霧「え...真白?」
水面ちゃんは口をぱくぱくしながら私を指差す。
冬野「そうだよ」
朝霧「な、なんで...」
冬野「水面ちゃんのこと、知ったから」
その言葉を聞くと水面ちゃんの表情は一気に暗くなった。
朝霧「じゃあ全部知られちゃったんだ...私がずっと嘘ついてたことも...」
冬野「うん。でも──」
私が全てを言い終える前に彼女は走り出していた。
冬野「待ってよ!」
水面ちゃんは呼びかけも無視して奥へと走っていく。
このままだと前と同じだ。内心そんな焦りを抱えつつ、けれども同時に今回はきっと上手く行く予感もしていた。
そして前と同じ小部屋に入り、前と同じ問答を繰り返す。
朝霧「違う...嘘だ!」
冬野「...」
この場面だ、前はここで間違えた。けれど今回はきっと大丈夫。
落ち着こうと深く息を吸い、真っ直ぐに水面ちゃんを見つめる。
冬野「私は何があっても水面ちゃんの事を嫌いにはならない。...だって、世界に1人の親友だから、でしょ?」
私の言葉を聞いて水面ちゃんの目から大粒の涙が溢れる。
朝霧「覚えて、たの...?」
冬野「うん...」
そう、前のループで死ぬ瞬間に聞いて思い出したが、元々これを言ったのは私の方だった。
水面ちゃんはちょっと抜けてるところがあって、だから幼い頃は思った事をすぐ口に出してしまう子だった。
それが原因でいじめとまではいかないが嫌がらせを受けてた時もあった。そんな時、私は落ち込む彼女に、世界に1人の親友だよ、そう言ったんだ。
朝霧「ごめ...ごめんね...!」
水面ちゃんは息を詰まらせながら謝り、抱きついてきた。
冬野「うん...」
勿論彼女を抱きしめ返す。
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