ターニャ・フォン・デグレチャフ「自動、手記人形……だと?」
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14:名無しNIPPER[sage saga]
2020/05/10(日) 00:04:05.54 ID:qvxi2d6XO
「はあ……謝る必要はない」
「レルゲン中佐殿……?」
「貴官が無事ならば、それでいい」

おお。本当に結果オーライだったらしい。

「ご心配をおかけしてすみません」
「だから謝る必要はない。ところで少佐」
「はい、如何しましたか?」
「貴官から大隊の隊員宛に手紙を預かっていたので、先程全員へと配っておいた」
「は?」

なんだそれは。聞いてないぞ自動手記人形!

「デグレチャフ少佐」
「な、なんですか?」
「私は貴官のことを誤解していたらしい」
「と、申しますと……?」
「よもや貴官があれほど愛情深い指揮官だとは思わなかった。検閲の際、私は涙なくしてあの手紙を読むことは出来なかった」
「そ、そうですか……」

いったいどんな内容なんだ。すると、突然。

「少佐殿ぉ〜っ!!」
「ぐえっ!? セレブリャコーフ少尉!?」
「小官も……小官も! 少佐殿のことを心から愛しております! キスしていいですか!?」
「ええい! 離せ! 中佐殿が見てる!!」
「ふっ……私は少し席を外そう」
「中佐殿はおトイレに行きました! これで存分に少佐殿を愛でることが出来ますねっ!」
「どうして……どうしてこうなったぁ!?」

それから次々とやってくる友軍の増援に激しく慕われた少佐は危うく失禁して本当に大地へと還る寸前で、あの自動手記人形のことを思った。

「覚えていろよ……ヴァイオレット・エヴァーガーデン! 今度会ったら、貴様を……!」

困った人形だが、なにかと意志疎通の困難なこの大隊には、必要な存在かもしれないと。
次に再会したらそれとなく勧誘しよう。


【幼女と少女戦記】


FIN


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