アルコ&ピース酒井「Black Savanna」
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17: ◆z.6vDABEMI[saga]
2020/05/05(火) 20:06:06.24 ID:z3oD1mZbo
履き慣らしたシューズで街を歩く。
夜の街は、今までよりも半分以下の人の出方だった。まあ、そうだろうなって思っちゃう。気を付けよう、って言ってる時だったから。オレもほんとは出ちゃいけないんだろうが、こればっかりは見逃してくれよと思い足早に道を行く。
いつも見る時は車道挟んだ向こう側にある、あのビル。今日はその真ん前に立っていた。
ビルはどこもかしこも光がなく寝静まっている。生命がひとつもないように、しんとしていた。真正面の、正門的なとこは閉まっていて、名前はよく分かんねえけど両側からガラガラって出てくるシャッターみたいなんがある。
さっきのキラキラは、間違いねえ、ここに来たんだ。妙な確信があった。
きっとそうだ、絶対そうだ。がくしゃでもないし、真実が一つだとしてもその真実を見極められないまま、無駄に肥大した自信だけでオレはそこにいる。
中は暗い。誰もいない。警備員さんくらいはいんだろうけど、まだ見つかってない。

「……ぜってぇここなんだよ」

執念にも似た確信があった。
絶対にそうだと感じ、疑う余地は一分の隙もなかった。
視線をきょろきょろ、けどどこにもねえんだよな。一体あのキラキラは何処に行っちまったんだろうか?
敷地の中に入ればさすがに犯罪だし、けど探すんならこの正門的な奴から中に入んねえと……と、少しだけ葛藤する。さすがに閉まってる正門から入ろうとすれば、警報も鳴るだろうし警備員さんにも捕まるでしょうよ。
したらオレも大人だし、タレントだし、そんなもんで捕まってちっちゃーく報道とか惨めだし色んな大人に迷惑かかるし、何よりもそんなんクソだせぇ。
何度かぴょんぴょん飛んで見たが、やっぱ敷地の中はよく見えないままだった。光ってるもんなら、こんくらいの距離からでも見れるはずなのに!
ああ、どうすっかな。ビルの上、びっかびかに磨かれて月の光を反射している綺麗な窓の方へ視線をやった。
誰かが、何かがじっとオレを見ている気がして……ん?誰か、居るような、でもなんか良く見えねえなぁー。


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