25:名無しNIPPER
2020/04/29(水) 22:24:56.45 ID:GKexH31W0
今日はレッスンの見学だ。と言っても、アイドルのレッスンじゃない。
あのオーディションの後、事務員ヘルプの必要が無くなって、専ら雑用係になっていた僕の頭の中には、彼女の「もう一度プロデューサーをやってみる」という、アドバイスだかリップサービスだか何だか分からないものが常に漂っていた。
またアイドルプロデューサーをやってみたいという気持ちは無いということは無かったけど、よく考えたら歌が分からないアイドルプロデューサーなんて馬鹿げている。なんで今まで不思議に思わなかったのだろう。
26:名無しNIPPER
2020/04/29(水) 22:25:49.82 ID:GKexH31W0
ちょうどトレーナーさんがレッスン室から出てきた。
「あれ、もうレッスン終わりですか?」
『いえ、少しだけ休憩です。この後プロデューサーがデビューさせる子を選びに来るって聞いたので、先におしゃべりでもして人柄を見ていただいたほうがいいと思いまして。もしかしてあなたが?』
27:名無しNIPPER
2020/04/29(水) 22:26:49.72 ID:GKexH31W0
「1回失敗したんだから、2回目は許さないわよ。8年分の時間、きっちり返してもらうから」
28:名無しNIPPER
2020/04/29(水) 22:27:41.69 ID:GKexH31W0
彼女の声が、初めて鮮明に僕の耳へと響いた。
29:名無しNIPPER
2020/04/29(水) 22:28:41.53 ID:GKexH31W0
昔話が長くなったね。そろそろ今の話をしよう。この話は、そうだな……。俗に言うとすれば――
30:名無しNIPPER
2020/04/29(水) 22:29:34.65 ID:GKexH31W0
――僕が「鼓膜を実装する」までの物語。
31:名無しNIPPER
2020/04/29(水) 22:30:35.28 ID:GKexH31W0
以上です。ありがとうございました。
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