384: ◆VtnAffEdys[saga]
2020/05/07(木) 19:07:08.99 ID:Pp1qiKihO
◇
後日、ダスカー地方
ディミトリ「俺は王国軍と少し話をしてくる。
ほんの少しでも、時間は稼げるはずだ。
その間、みんなは反乱軍を戦闘不能にして、撤退させてくれ」
ベレス「了解したよ。
王国軍が来る前に、出来るだけ多くの反乱軍を撤退させよう」
ドゥドゥー「ああ。話を聞いただけで撤退などしないだろうからな。
戦闘は避けられない」
クリス『ここで失敗すれば、罪のない命が蹂躙される…頑張らなければ』
◇
クリス『ふぅ…これで、大半は撤退させられましたわ』
ドゥドゥー「ああ。…間に合わず犠牲になった者もいるが」
ベレス「それは仕方ないと割り切るしかないよ。
…それで、あなたはどうする?」
ダスカー軍将「…あんたら、何故俺たちを殺さない?
ダスカー人は殺すべき悪。それが今の王国だろうが」
ドゥドゥー「…殿下は、俺たちダスカー人が何の憂いもなく暮らせる国を作ると仰った。
いつか殿下が理想を叶えられた時、俺や、お前たちダスカー人がいなければ、何の意味もなくなってしまう。
それは避けたかった」
ダスカー軍将「…王国に魂を売った裏切り者が、何を言う」
ドゥドゥー「…」
ディミトリ「王国軍は全て片付いたと思って撤退していったようだ。
これで、被害は抑えられたはず…どうした、ドゥドゥー?」
ドゥドゥー「殿下…」
ダスカー軍将「…あんたが王子か。
……あんたが語る甘っちょろい理想が、本当に叶うと思ってんのか?」
ディミトリ「ああ。俺は必ず、そんな国を作ってみせる。
今は信じられなくてもいい。ただ…生きてくれ。
生きて、俺の理想が叶うかどうか、見極めてくれ」
ダスカー軍将「…そうか。
……覚えておけ。
ダスカー人は、恨みも、受けた恩も、忘れない」
ザッザッ
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