63:名無しNIPPER[saga]
2020/04/29(水) 14:50:01.26 ID:SPkljqcV0
踏み出した脚があんまりにも軽過ぎたものですから、
加蓮は思わず笑い出してしまいました。
お腹の奥から声を響かせ、
袖から飛び出した勢いのままに手を振り。
そして、一面に広がる三色の海を目の当たりにしたのです。
加蓮は一度も海を泳いだ経験がありませんでした。
安全なプールでぱちゃぱちゃと戯れるのが関の山で、
時たま連れて行ってもらう旅行先で目にする大海原にも、
何だか人の手には余るような途方も無さを感じてしまって、
泳いでみたいという衝動が湧いてきません。
でも、初めて目にする輝きの海には、いっそ溺れてしまいたいとさえ思いました。
307Res/234.17 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20