もしもし、そこの加蓮さん。
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260:名無しNIPPER[saga]
2020/05/10(日) 21:27:22.49 ID:7gnP6kF90


それきり、男とも女とも、子供とも大人ともつかない、
妙な声は聞こえなくなりました。

 「ねぇ……ねぇ?」

加蓮は慌てたように辺りを見渡します。
壁も床も天井も、どこからも声は聞こえてきません。
しばらくうろうろと歩き回って、再び膝を折りました。

 「……言いたい放題言って、ドロンか」


イケ好かない奴。


そう小さく呟いた時、ノックの音が響きました。

ごくごく静かにドアが半分開かれて、
ぎゅうぎゅうに詰まって心配そうにこちらを伺う美嘉たちを背に、
彼が加蓮の傍でしゃがみ込みました。

 「加蓮……大丈夫か?」


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