もしもし、そこの加蓮さん。
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235:名無しNIPPER[saga]
2020/05/10(日) 13:48:00.29 ID:7gnP6kF90

 「んっ……」

整った顔を少しだけ歪め、奏は指先に力を籠めます。
ざりざりという悲鳴にも似た耳障りな音を立ててドアが開け放たれると、
強く吹き込んだ風が少女達の髪を弄んでいきました。

 「さぁ。往きましょう」

 「何処へ?」

 「何処へだって往けるわ。夜は、私達の時間だもの」


差し出された手に華を添える筈の夜色は、すっかり見る影もなくなっていました。
乱れた指先を見つめ、加蓮はゆっくりとその手を握ります。


お揃いのスリッパを履いて、シンデレラ達は静かなお城を抜け出しました。



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