221:名無しNIPPER[saga]
2020/05/10(日) 00:29:15.35 ID:7gnP6kF90
加蓮の呟きに、プロデューサーは一瞬だけ、ほとんど泣きそうな顔になって。
それから何度も首を振りました。
「そうじゃない。叱りたい訳じゃないんだ、加蓮」
「……何で?」
「だって……逆だろう。加蓮が……どうしてそんなに、辛そうなのか。
担当プロデューサーの癖して分かってない、俺が叱られる側だ」
「ちょっと、レッスン……し過ぎたからだよ」
「そのくらいなら、俺も分かるんだ。加蓮は自分の体力を考えて、
多分、俺の知らない所でも何かをこなして、上手いことレッスンを重ねてる。
確かに普段よりもハードだけど、加蓮が苦しんでるのは……そこじゃない気がする」
「……」
「まるで……何かから、追い掛けられてるみたいだ」
揺れ続ける茶色の水面は、自分が今どんな顔をしているのか、加蓮に教えてくれません。
「…………笑わない?」
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