220:名無しNIPPER[saga]
2020/05/10(日) 00:19:13.01 ID:7gnP6kF90
◇ ◇ ◆
プロデューサーから差し入れられた、紙コップのアイスココア。
両手で抱え、小刻みに揺れる水面を、加蓮はただじっと見つめていました。
「ネイル」
卯月が呟きます。
「加蓮ちゃんのネイル。
綺麗で、凄いなぁって見てたんです。でも、最近、してないなーって」
指先を伸ばしました。
いつだったか欠けてしまった小指の爪も、今では跡一つも残っていません。
綺麗に整えられた、ごく普通の爪です。
何だか、塗る気が起きなかったのです。
明日は塗ろうかな。
週末に塗ろうかな。
小さな先延ばしが積み重なって、今日がその最後尾でした。
「ごめん」
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